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  • 皐月野鷽

Role&Roll Vol.178 選択ルール「年少探索者の創造」掲載について+年少探索者の創造例


 どうも、鷽です。  今回は告知&コラム記事の更新になります。

【Role&Roll Vol.178 アーカム計画 「年少探索者の創造」掲載について】

※ウチで飼っているヤドンが映り込んでしまいました。

 今月発売のRole&Roll Vol.178にて、選択ルール記事「年少探索者の創造」が掲載されました!  “クトゥルフ神話TRPG”において、小・中学生の探索者を創造するためのルールになります。

 これまでの“少年探索者”といえば……

 ・最年少でも小学6年生(EDUの最低値が6、6+6=12歳が最年少)  ・低ステータス(特に職業の技能ポイントが著しく低くなる)

 ・社会的身分が低いため扱いづらい

 ……等々、二重苦三重苦のような立場に置かれていました。

 今回の記事では、“特性”や“お手伝い”、“再挑戦”といった独自の要素を追加することで、

年少探索者をある程度実用的なステータスで運用できるようなルールを提案させて頂きました。

 小中学校を題材にしたシナリオ、保護者と子供との関係性が重要となるシナリオ等を作成したいと考えている方は、是非ともこちらの選択ルールを採用してみてください。

 さて、今回は折角ですので「年少探索者の創造」に沿った探索者創造の例も載せておきたいと思います。 「こういう流れで準備すればいいのか!」という参考になれば幸いです。

※以下の項目は常体にて失礼いたします。

 

【年少探索者の創造例】

 ここでは年少探索者の創造例を記しておこう。選択ルールによる探索者創造の際には、可能であればキーパーにも立ち会ってもらうとよいだろう。

●とあるプレイヤーの場合

 プレイヤーは「今回のシナリオには小学生のNPCが登場する」ということをキーパーから事前に聞かされていた。そこで彼は、自らの探索者も小学生として作成し、そのNPCと交友関係を結びたいと提案してみた。  キーパーはこの提案を受け入れ、「年少探索者の創造」の選択ルールを採用することに決めた。

 まず、プレイヤーは年少探索者の“特性”を先に決定することにした。そこからイメージを固めていこうと考えたのである。  2D6を振って出た目は7、「人見知り」の特性を取得した。プレイヤー自身も少年時代は人見知りが激しかったため、彼は早くも自身の探索者に親近感を覚え始めた。

 次は能力値のロールを行っていくわけだが、先に探索者の年齢を決めておく必要がある。  キーパーはNPCが8歳(小学2年生)の男の子であることを教えてくれた。そこで、プレイヤーも自身の探索者を8歳の男児として創造することに決めた。

 STR,CON,SIZのロールに「7~12歳」の表を適用してダイスを振り、プレイヤーの出目は以下の通りとなった。

 ・STR  ⇒  8  ・CON  ⇒  9  ・SIZ  ⇒  8  ・DEX  ⇒ 17  ・APP  ⇒ 13  ・INT  ⇒  8  ・POW  ⇒ 11  ・EDU  ⇒  2

 全体的に平均値程度に収まっているが、DEXについては最大値の一歩手前という素晴らしい値を得ることができた。  プレイヤーは「人見知り」という特性を考慮し、この探索者は野外を走り回るのが得意というわけではなく、細かな作業──例えば、裁縫や工作が得意なのではないかと考えた。  一方でINTについては最低値を出してしまった。アイデアが下がってしまうのは頂けないが、逆に考えれば正気度ポイントを失った際に一時的狂気に陥りづらいというメリットにもなり得るだろう。  プレイヤーはこの短所について、教員に対しても引っ込み思案な性格がはたらいてしまい、授業の疑問点を質問しに行けないという理由によるものであると解釈した。

 能力値が決定したことで、そこから導き出される能力も以下の通り定まった。

 ・アイデア  8×5=40  ・幸運   11×5=55  ・知識    2×5=10

 ・正気度ポイント 11×5=55  ・耐久力  (9+8)÷2≒ 9  ・マジックポイント     11  ・ダメージボーナス   -1D4

 続けて技能を決定していく。職業技能値は40ポイント、個人的興味の技能値は80ポイントとなる。通常の探索者からすればかなり低い値ではあるが、年少探索者は“再挑戦”を行える。また、8歳の年少探索者は「16-8=8回」の“お手伝い”を行えるため、単純な劣化とはならないはずだ。  プレイヤーは探索者の技能を定めるために「年少探索者の創造」に記載された小学生の職業サンプルを使用することを希望し、キーパーもこれを許可した。  プレイヤーは「得意分野」の中から、真っ先に「図工(美術)、家庭科が得意」の項目を選んだ。もう一つの分野については、しばらく考えた後に「算数が得意」を選んだ。こちらはプレイヤー自身の得意科目だったようだ。  プレイヤーは2つの得意分野からそれぞれ1つずつ技能を選び、以下のように職業の技能値を配分した。

 ・図書館       +10=35%  ・機械修理      +20=40%  ・コンピューター   +10=11%

 プレイヤーは「人見知り」であることを表現するために、コミュニケーション系技能はあえて習得しないことにした。また、“細かな作業”については機械いじりやプラモデル製作のことであるとしたようだ。  現代っ子らしく、〈コンピューター〉についてもある程度扱えるような設定とし、さらにはネットサーフィンを指しての〈図書館〉も備えさせてみた。  結果として完全なるインドア派の少年となってしまった。俗に言う“スクールカースト”に当てはめるならば、「ギーク」といったところだろう。  プレイヤーはキーパーに対し、「少々内気な探索者になってしまったが大丈夫だろうか?」と確認を取ってみた。プレイヤー自身は探索に対して消極的な態度を取るつもりはないのだが、探索者がNPCとの交流を図るうえで不都合が生じないかと不安になったのである。  キーパーは今回の小学生NPCが非常に活発で友好的な性格をしていることを強調し、多少引っ込み思案な探索者だったとしても、友人として引っ張っていってくれるであろうことを示唆してくれた。プレイヤーは安心して創造を続けることにした。

 次に個人的な興味の技能値を配分していくわけだが、ここでINTの低さが響いてくる。  プレイヤーは少ない技能値を活かすために、基本成功率が高めの技能にポイントを配分しておくことに決めた。

 ・目星      +20=45%  ・回避      +10=44%  ・隠れる     +20=30%  ・コンピューター +30=41%

 高いDEXと小柄な体格を活かすために、〈回避〉と〈隠れる〉に配分した。また、〈コンピューター〉の成功率をもう少し高めたいと考えたため、残りのポイントはそちらへ追加した。

 後はバックグラウンドとして探索者の設定やNPCとの関係性を定めて、「年少探索者の創造」は完了である。  プレイヤーはこの探索者とNPCとが、コンピューター室での授業の際に隣同士の席に座っているということにした。授業中に分からないことがあった際に、NPCの側から探索者に対して質問してきたことから交友関係がはじまったということにしたのである。キーパーもこれを自然な繋がりであると評価し、その設定を許可したようだ。

 かくして、この機械好きの少年も新たな“探索者”となり、『クトゥルフ神話TRPG』の世界へと旅立つことになったのである。

 

 いかがだったでしょうか?

 ご自身の小学校時代の思い出(?)なども反映しながら創造して頂ければ幸いです。

 今回は探索者シートの作成例までに留めますが、近日中に「年少探索者の創造」を活用できるオリジナルシナリオを公開予定です。「小学校の七不思議」を題材にした夏にピッタリな“肝試し”シナリオになる予定です。

 テキストデータでの配布か、もしくはpixivへの投稿になると思います。来週末くらいには投稿できるよう準備を進めていますので、どうぞよろしくお願いします!

 それでは、今回はこの辺りで。良きTRPGライフをお過ごしください!

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